診療案内
専門外来の予約・キャンセル等に関するお問い合わせはお電話でお願いします。
お問合せ先: 03-3748-1188
腎臓病は初期には自覚症状があらわれにくく、早期に発見することがとても重要です。
日本では、子どもの腎臓病を早期発見するために、1974年から「学校検尿※」が行われています。
学校検尿で発見された慢性腎疾患は、むくみや食欲不振などの症状があらわれてから診断されたものに比べて、病変は明らかに軽く、適切な生活管理や治療を行えば、予後が良いことも明らかにされています。
また、学校検尿により小児腎疾患を早期に発見できるようになり、その結果小児期の慢性糸球体腎炎※による腎透析導入患者数は年々減少しています。
※慢性糸球体腎炎 腎臓のろ過装置である糸球体に炎症が起こることによって、血尿やたんぱく尿が出る疾患
小児腎疾患の確定診断、特に治療法の選択には、尿・血液検査だけでなく画像検査に加え腎生検による病理診断を行うこともあります。しかし、検尿で異常を指摘された方すべてがすぐに治療を必要とする訳ではありません。
当院では、学校検尿異常による再検査を勧められた方に対して診察と再検査を行い、必要に応じ当院でフォローアップし、更なる検査治療が必要な場合には適切な医療機関をご紹介いたします。
幼児期の夜尿を「おねしょ」と称し、5~6歳を過ぎても夜間睡眠中に無意識に排尿することを「夜尿症」といいます。
「おねしょ」は5歳児の約20%にみられ、発達とともに徐々に解消していきます。一般的に小学校入学になる6歳くらいから「夜尿症」治療の適応年齢となりますが、小・中学生の夜尿症の罹病率は6〜10%とアレルギー疾患についで頻度の高い慢性疾患です。
それに
加えて
さらに
夜尿症の多くは自然軽快していくものですが、治療を受けることによって、治療を受けないで自然経過をみるよりも早く治癒すると報告されています。
また、夜尿が学齢期まで持続している場合には、夜尿をしていることで子どもが自信を喪失して、心理面、社会面、生活面に様々な影響を与えることがあります。このような影響は、ストレスとなって夜尿の消失時期を遅らせる要因にもなるため、なるべく早く治療してあげた方がよいでしょう。
日本では、2004年に「夜尿症診療ガイドライン」(日本夜尿症学会)が作成され、2021年に改訂されました。これにより夜尿症治療の標準化が得られ、全国で適切な治療を受けられるようになりました。
当院では、この「夜尿症診療ガイドライン2021」(日本夜尿症学会)に準じた治療を行います。
初回は問診と治療の大まかな流れをご説明するので約20〜30分程度かかります。
その後、"おねしょ日誌"を記録したり、尿検査を行うことで、患者さんに合った適切な治療法を提示していきます。
ただし、夜尿症はお子さん自身の「治そう」というモチベーションの高さが良き治療結果・期間につながります。私や保護者の方が押し付けても良好な結果につながらないことがほとんどです。そのためガイドラインから外れた指導・治療法の提示をすることもあります。
主な治療法
生活習慣の見直し | 夜寝る前の水分を控える、塩分を控える、就寝前の排尿を徹底する、排尿抑制訓練(日中おしっこをがまんする訓練)、冷え対策など、生活習慣の見直しを指導します。 |
---|---|
薬物療法 | 夜尿症に有効な薬剤を単独、もしくはいくつかを組み合わせて用いますが、使う量や使用期間は年齢や症状に応じて異なります。 |
アラーム療法 |
パンツに水分を感知するセンサーを取り付けて、夜寝ているときにおしっこがでると、水分を感知しアラームが鳴ります。アラーム音で排尿を抑制しているうちに、睡眠中の膀胱容量が大きくなっていくといわれています。 当院はピスコールをレンタルいただいた上でアラーム療法の指導を行っております。年間約16名の方がアラーム療法を選んでおられます。 |
5〜6歳以降で週に複数日のおねしょが連続してみられるようであり、ご心配な点がございましたらお気軽にご相談ください。